抄録
症例は64歳の女性.生後すぐにポリオに罹患し,以後右下肢麻痺のため右松葉杖を長期に渡り使用していた.検診で右腋窩の腫瘤影を指摘された.その後,右上肢の痺れ・疼痛が出現したため精査したところ,右上腕動脈瘤と診断され当科紹介となった.CT検査で25×22mm大の右上腕動脈瘤を認めた.瘤内は血栓閉塞していたが,前上腕回旋動脈を介した良好な側副血行により末梢の血流は維持されていた.手術は上腕動脈瘤切除のみを行い,橈骨・尺骨動脈の血流不全はなかったためバイパス手術は行わなかった.上腕動脈瘤は稀な疾患ではあるが,破裂や塞栓症を引き起こすことが知られており手術加療が必要である.