日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
坐骨切痕を通じ骨盤内外へ進展した孤立性線維性腫瘍の1例
岩本 直也永吉 絹子真鍋 達也持留 直希小田 義直中村 雅史
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 79 巻 1 号 p. 151-157

詳細
抄録
症例は41歳,女性.数年前より間欠的な右下肢麻痺と疼痛を認めていた.検診で骨盤内腫瘤を指摘され当院紹介となった.腹部造影CT検査では坐骨切痕を通じて骨盤内外へ進展する腫瘍,いわゆるsciatic notch tumorを認め,生検で孤発性線維性腫瘍(SFT)の診断となった.後腹膜および後方アプローチを併用した腫瘍切除術を施行した.術後は右下肢麻痺の改善を認め,退院時には歩行可能となった.術後3年6カ月経過し,明らかな再発は認めていない.骨盤内SFTは稀な疾患であり,骨盤内外に進展するSFTの本邦報告例は認めていない.骨盤内外に進展する軟部腫瘍に対する外科治療では,解剖学的熟知と高度な手術手技を要し,多方向からのアプローチを用いて十分な視野確保の下に,安全かつ腫瘍学的に十分な腫瘍切除を行う必要がある.今回,われわれは後腹膜および後方アプローチにより完全切除が可能であった骨盤内外へ進展するSFTの1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.
著者関連情報
© 2018 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top