日本臨床外科学会雑誌
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症例
急性膵炎と輸入脚症候群を合併した胃全摘術後の十二指腸憩室結石の1例
横山 邦雄生田 肇西田 十紀人工藤 拓也
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2018 年 79 巻 1 号 p. 96-101

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抄録
症例は66歳,女性.55歳時に胃癌にて胃全摘術を施行されている.
夕食後に数回嘔吐があり,心窩部痛が出現したため当院救急外来を受診した.
血液生化学検査にて炎症反応,肝胆道系酵素,膵酵素の上昇を認め,腹部CTにて十二指腸憩室内に45mm大の高輝度の腫瘤影,総胆管の拡張,膵周囲脂肪織濃度の軽度上昇を認めた.十二指腸憩室結石による急性膵炎・胆管炎と判断し入院した.保存的加療も第2病日の腹部CTにて結石が落石,十二指腸水平脚にて嵌頓し,輸入脚症候群を呈した.また,膵周囲の脂肪織濃度上昇も両側Gerota筋膜まで広がり,重症膵炎と診断した.緊急小腸内視鏡下に腸石を砕石した.以降重症膵炎に対し集学的治療を行ったが,多臓器不全にて第14病日に死亡した.
十二指腸憩室結石から急性膵炎・胆管炎をきたし,経過中に憩室結石が落石して輸入脚症候群を呈した例の報告はなく,若干の文献的考察を加えて報告する.
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© 2018 日本臨床外科学会
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