日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
臨床経験
重症大動脈弁狭窄症を有する開腹手術症例に対する術前IABP挿入の経験
渡邉 卓石上 雄太加藤 喜彦宮原 利行松下 恒久中野 浩
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 79 巻 10 号 p. 2010-2014

詳細
抄録
大動脈弁狭窄症は周術期リスクが高い心疾患とされており,重症例では非心臓手術を中止するか,もしくは大動脈弁治療を先行させることが望ましいとされているが,緊急手術・悪性腫瘍手術では開腹手術を先行せざるをえない状況も存在する.今回われわれは,当院で術前に心臓超音波検査で重症大動脈弁狭窄症と診断され,IABP挿入下に開腹手術を施行した5例について検討した.平均年齢は72.2歳で,男性3例,女性2例であった.緊急手術症例が1例であり,悪性腫瘍手術が4例であった.心臓超音波検査での収縮期平均圧較差は平均33.68mmHgで平均弁口面積は平均0.722cm2であった.IABPの平均留置期間は3.4日で,IABP留置による合併症は認めなかった.1例に在院死を認めたが,心合併症は認めなかった.重症大動脈弁狭窄症を合併した開腹手術症例に対する術前IABP挿入は,周術期管理の面で有用な手技である可能性が示唆された.
著者関連情報
© 2018 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top