日本臨床外科学会雑誌
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症例
サルベージ手術時に癌浸潤気管膜様部に広背筋弁充填を行った食道癌の1例
谷 亮太朗山本 秀和山田 理大山本 道宏原田 英樹財間 正純
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2018 年 79 巻 10 号 p. 2048-2052

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抄録
気管膜様部浸潤を伴う食道癌に対する根治的化学放射線療法後のサルベージ手術は,膜様部損傷,壊死や穿孔などの膜様部関連合併症が問題となる.
症例は67歳の男性.気管膜様部浸潤を伴う胸部上部食道癌に対して根治的化学放射線療法を施行したが,完全寛解後に食道再発を認めたため,サルベージ手術を行った.手術は右開胸開腹食道亜全摘,胸骨後胃管再建,頸部での食道胃管吻合とした.気管膜様部関連合併症を予防するために,気管膜様部背側に広背筋弁の充填を行った.術後に気管膜様部関連の合併症は全く生じず,食道-胃管吻合部の縫合不全を認めたものの,保存的加療にて軽快した.気管膜様部浸潤を伴うT4食道癌に対するサルベージ手術では,膜様部損傷・壊死・穿孔などの合併症の可能性があり,ひとたび起こると致命的となる.われわれは,広背筋弁を充填することにより合併症を予防しえた.手技的にも容易であり,有効な術式と思われた.
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© 2018 日本臨床外科学会
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