日本臨床外科学会雑誌
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症例
Diffuse pulmonary meningotheliomatosisの1例
井上 雄太深見 武史四元 拓真木谷 匡志蛇澤 晶
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2018 年 79 巻 3 号 p. 490-494

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抄録

66歳,女性.胸部CTで両肺野にびまん性小粒状影を認め,粟粒結核の疑いで気管支鏡検査を行ったが結核菌は検出されなかった.悪性腫瘍の肺転移を疑い,原発巣検索のため上・下部内視鏡検査,FDG-PETを施行.PETにて甲状腺癌を疑われ,穿刺吸引細胞診施行.Class IIIまでの診断だったため,肺病変の確定診断目的に胸腔鏡下肺生検を施行.病理学的に肺結節はmeningothelial-like nodulesであり,両側肺野にびまん性に分布しているためdiffuse pulmonary meningotheliomatosis(DPM)と診断された.Minute pulmonary meningothelial-like nodules(MPMNs)は偶発的に病理検体で診断されることも少なくないが,DPMの報告はごく僅かである.びまん性両肺結節の鑑別として留意しておくべきであろう.

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© 2018 日本臨床外科学会
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