日本臨床外科学会雑誌
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症例
慢性偽性腸閉塞症と鑑別を要した急性膵炎に続発した慢性巨大結腸症の1例
佐藤 英昭石田 晶玄長尾 宗紀元井 冬彦内藤 剛海野 倫明
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2018 年 79 巻 4 号 p. 820-824

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抄録
症例は28歳の男性で,重症急性膵炎および被包化壊死に対し,経皮的・内視鏡的ドレナージなどの加療を行った既往がある.外来での経過観察中に麻痺性腸閉塞を発症し,当院で入院加療を行った.当初は慢性偽性腸閉塞症(CIPO)が疑われたが,シネMRIで小腸の運動機能は保たれていることが判明し,結腸の運動機能障害を伴う慢性巨大結腸症と診断した.回腸瘻造設術を施行し,その後社会復帰が可能となった.CIPOは小腸を主体とし,食道から大腸までの全消化管に起こり得る消化管運動機能障害で,機械的な閉塞機転がないにもかかわらず腸閉塞様症状を引き起こす疾患である.一方で,慢性巨大結腸症は,以前は結腸型CIPOと呼ばれていたが,外科治療が無効なことが多いCIPOに対し,手術による治療効果が高く,これらの鑑別は非常に重要である.われわれは,本邦において報告例のない急性膵炎に続発した慢性巨大結腸症の治療経験を得たので,ここに報告する.
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© 2018 日本臨床外科学会
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