日本臨床外科学会雑誌
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症例
卵管采が嵌頓した大腿ヘルニアの1例
森 拓哉寺岡 均木下 春人長谷川 毅野田 英児
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2018 年 79 巻 6 号 p. 1314-1318

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抄録
症例は55歳,女性.以前より右鼠径ヘルニアを指摘されていた.1週間前からの右鼠径部膨隆を主訴に当院を受診.右鼠径部に鶏卵大の緊満した膨隆を認めたが,発赤はなく圧痛も軽度であった.来院時血液検査に異常は認めず,腹部CT検査でイレウス像や腸管の嵌頓所見は認めなかったため,待機的に腹腔鏡手術を施行した.手術時診断は右大腿ヘルニア嵌頓で,内容は右卵管采であった.還納した卵管采に血流障害はなかったため温存し,メッシュによる根治術を施行した.また,腹膜前腔に可動性良好な1.5cm大の腫瘤を認めたため,同時に切除を行った.病理結果は平滑筋腫であった.術後経過は良好で術後1日目に退院となった.成人で卵管采が嵌頓した大腿ヘルニアは非常に稀である.イレウス症状を伴わない大腿ヘルニア嵌頓では,内容物が卵巣や卵管采の可能性があることを念頭に置いて手術を行うことが望ましいと考えられた.
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© 2018 日本臨床外科学会
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