日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
腹壁粘液線維肉腫の1例
新田 信人森 毅山口 剛貝田 佐知子清水 智治谷 眞至
著者情報
ジャーナル フリー

2018 年 79 巻 8 号 p. 1788-1793

詳細
抄録
症例は48歳,女性.腹部腫瘤を主訴に受診した.左下腹部に圧痛を伴う鶏卵大の硬い腫瘤を触知した.CT検査で腹横筋と連続し腹膜前腔に位置する不均一な造影効果を呈する約5cmの腫瘍を認め,腫瘍の一部は腹腔内に突出していた.針生検で脂肪肉腫の可能性が疑われたため,2cm以上の切除縁を確保した切除術を行った.病理組織検査では,粘液を背景とした高異型度紡錘形細胞の増殖を認め,免疫染色結果から,高異型度粘液線維肉腫(high grade myxofibrosarcoma:以下MFS)と診断した.術後補助化学療法としてAI(doxorubicin + ifosfamide)療法を5コース施行し,術後10カ月で無再発生存中である.MFSは四肢皮下に好発する腫瘍であり,腹壁発生は稀である.MFSは他の肉腫と比較して,局所再発率が高いため,切除において注意を要する疾患である.
著者関連情報
© 2018 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top