日本臨床外科学会雑誌
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症例
神経切断術が著効をみた鼠径ヘルニア術後陰嚢痛の1例
村田 竜平小林 展大渡辺 義人越前谷 勇人
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2018 年 79 巻 8 号 p. 1798-1803

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抄録
症例は64歳,男性.右内鼠径ヘルニアに対して7カ月前に腹腔鏡下鼠径ヘルニア修復術を実施した.内鼠径輪外側の腹膜前脂肪層より出血を認め,超音波凝固切開装置にて止血を行った.手術後より右陰嚢に限局した疼痛が持続し,Tinel 兆候陽性であり,陰部大腿神経の損傷が原因として考えられた.鎮痛薬にて経過観察していたが,6カ月経過しても改善を認めないため,鼠径部切開法によるtriple neurectomy(陰部大腿神経陰部枝,腸骨鼠径神経,腸骨下腹神経の切断術)を施行した.術翌日より疼痛は完全に消失し,現在も症状の再燃は認めていない.鼠径ヘルニア術後の慢性疼痛は0.7~43.3%に生じるとされ,時に生活の質の著しい低下を生じるため,治療法の確立は重要である.今回,鼠径ヘルニア術後陰嚢痛に対して神経切断術により陰嚢痛が完全に消失した症例を経験したため報告する.
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© 2018 日本臨床外科学会
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