日本臨床外科学会雑誌
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症例
食道癌術後に発症した両側緊張性気胸の2例
井上 裕道有本 斉仁小林 哲松村 輔二
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2019 年 80 巻 11 号 p. 1983-1986

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抄録

症例1は70歳,男性.食道癌に対し食道亜全摘,後縦隔胃管再建術後.近医から両側気胸で当院に転院するも,経過観察にて改善退院した.1週間後に両側気胸再発にて再入院,左胸腔に胸水貯留を認め左胸腔ドレナージを施行した.両側気胸が改善したため,気胸発生側は左肺と判断し,左肺嚢胞切除術を施行した.しかし,退院から2日後に意識レベル低下,両側緊張性気胸にて再々入院となった.両側ドレナージを行い,追加手術として右肺嚢胞切除,胃管と椎体前面胸膜を縫合し胸腔間交通を閉鎖した.症例2は70歳,男性.食道癌に対し食道亜全摘胸骨後胃管再建術後.心肺停止で救急搬送され,両側緊張性気胸の診断にて両側ドレナージを施行した.左側の気漏が持続したため,左肺嚢胞切除,胸骨裏面と左縦隔胸膜を縫合し胸腔間交通を閉鎖する手術を施行した.両側緊張性気胸は致死的な病態であり,確実な胸腔間交通の閉鎖が重要である.

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