2019 年 80 巻 12 号 p. 2157-2163
症例1は64歳,女性.右乳癌,ER陰性,HER2陽性と診断された.CTで横行結腸転移が疑われ,下部消化管内視鏡で高度の内腔狭窄を認めた.閉塞予防のため腹腔鏡下結腸部分切除術(横行結腸)を施行,乳癌の結腸転移と診断された.術後は薬物療法を施行中で,3年1カ月経過した現在,消化器症状なく生存している.症例2は初診時68歳,女性.左乳癌 Stage Iに対し左乳房全切除術+腋窩郭清を施行した(ER 陽性,HER2陰性).術後10年2カ月,CTで下行結腸転移が疑われ,下部消化管内視鏡で高度の内腔狭窄を認めた.閉塞予防のため腹腔鏡下結腸部分切除術(下行結腸)を施行,左乳癌の結腸転移と診断された.術後は内分泌療法を施行中で,2年経過した現在,消化器症状なく生存している.孤立性の乳癌結腸転移は局所切除と薬物療法で,消化器症状を予防し長期に生存できる可能性がある.