日本臨床外科学会雑誌
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症例
黄色肉芽腫性虫垂炎の1切除例
中上 勝一朗金 浩敏野中 亮児梶原 淳今北 正美位藤 俊一種村 匡弘
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2019 年 80 巻 12 号 p. 2233-2237

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抄録

症例は23歳,女性.心窩部痛と右下腹部痛を主訴に来院した.来院時血液検査では,軽度の炎症反応上昇を認めた.腹部超音波検査では,虫垂根部の回盲部側の粘膜下に15×10mmの低エコー腫瘤を認め,腹部造影CT検査では,回盲部に14×14mmの低吸収域と周囲の濃染があり,また回結腸動脈領域に短径10mm以上のリンパ節腫大が散見された.大腸内視鏡検査では,回盲弁の盲腸側に壁外からの圧排と考えられる約20mm大の隆起を認め,生検を実施したが悪性所見は検出されなかった.画像所見を総括し虫垂粘液嚢腫と診断したが,周囲リンパ節の腫大も認め虫垂粘液癌を完全に否定できず,D3郭清を伴う腹腔鏡下回盲部切除術を施行した.切除標本では虫垂内腔に約10×10×3mm大の黄色結節があり,病理検査で黄色肉芽腫性虫垂炎の確定診断を得た.黄色肉芽腫性炎症は胆嚢や腎臓に好発するが,虫垂原発は極めてまれであり,文献的考察を加えて報告する.

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© 2019 日本臨床外科学会
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