日本臨床外科学会雑誌
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症例
絞扼性腸閉塞を伴った特発性右横隔膜ヘルニアの1例
升田 晃生小棚木 均宮澤 秀彰澤田 俊哉工藤 和大小棚木 圭
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2019 年 80 巻 2 号 p. 303-309

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抄録

成人において右横隔膜の腱中心をヘルニア門として特発性に横隔膜ヘルニアが発生し,脱出回腸が絞扼壊死していた1例を経験した.患者は89歳,男性.既往に腹部外傷はない.腹痛,嘔吐を主訴に救急外来を受診.腹部は軽度膨満し,心窩部に圧痛を認めた.胸部単純X線写真および胸腹部CT検査で右胸腔内に小腸が脱出し,また造影CT検査で脱出した腸管壁と腸間膜が造影不良であった.脱出腸管の絞扼を伴う右横隔膜ヘルニアと診断し,緊急手術を施行した.開腹すると,肝右葉の腹側より回腸が右胸腔内に脱出して絞扼されていた.脱出腸管を還納すると,右横隔膜腱中心に約3cm大の欠損を認めたため,これを縫合閉鎖した.回腸の約35cmが壊死していたので部分切除した.術後29日目に退院し,以後再発は認めていない.

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© 2019 日本臨床外科学会
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