日本臨床外科学会雑誌
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症例
TAPP後に遺残腹膜前脂肪による腫瘤の切除を要した内鼠径ヘルニアの1例
東本 昌之出先 亮介松尾 洋一郎小倉 修
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2019 年 80 巻 4 号 p. 809-813

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抄録

症例は70歳,男性.2018年4月頃より出現した右鼠径部腫瘤を主訴に同年5月,当院受診となる.腹部所見,腹部CTより右鼠径ヘルニアの診断で,同年6月にTAPPを施行した.術後3日目より右鼠径部腫瘤が出現.右鼠径ヘルニア再発の診断で,術後7日目に待機的に手術を施行した.再手術時,腹腔鏡での観察では腹膜縫合部の離開はなく,ヘルニア嚢を思わせる腹壁の凹みは同定できず,初回手術時のメッシュも十分に展開されていた.鼠径部切開法を併施したところ,II-1型内鼠径ヘルニアの位置に遺残した腹膜前脂肪が腫瘤の原因であった.遺残腹膜前脂肪が腫瘤を形成し,さらにその切除を要した例の報告はない.このような合併症の存在を周知することは,腹腔鏡下ヘルニア修復術の合併症予防の観点からも意義あることと考え報告する.

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© 2019 日本臨床外科学会
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