日本臨床外科学会雑誌
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綜説
遺伝性乳癌―遺伝性疾患としての意義とコンパニオン診断としての意義を考える―
杉本 健樹
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2019 年 80 巻 7 号 p. 1269-1278

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抄録

本邦でも遺伝性乳癌卵巣癌症候群 (hereditary breast and ovarian cancer: HBOC)診療が徐々に普及し,主に乳癌・卵巣癌を対象に病歴・家族歴から遺伝リスクのある患者を拾上げ,遺伝の専門家が遺伝カウンセリングと遺伝学的検査を行い,結果に応じた治療と医学管理を行うと同時に家系員への情報提供および遺伝診療を提供している.2018年7月,「がん化学療法歴のあるBRCA遺伝子変異陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳癌」にpoly(adenosine diphosphate-ribose) polymerase (PARP)阻害剤オラパリブ(リムパーザ®)が承認されると同時にコンパニオン診断としてBRCA遺伝子検査も保険適用となった.このため,遺伝学的検査の説明と同意,状況によっては結果開示も乳腺科医が担当する場面が増えた.この状況では,乳癌診療に従事する外科医にとっても遺伝性腫瘍の理解と知識は必須である.本稿では,HBOCを中心に遺伝性乳癌診療の現状とコンパニオン診断としての遺伝学的検査で注意すべきことについて概説する.

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