日本臨床外科学会雑誌
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症例
Delorme手術を施行した腹腔鏡下括約筋間直腸切除後粘膜脱の1例
原田 幸志朗春木 伸裕溝口 公士加藤 知克傳田 悠貴藤田 康平
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2019 年 80 巻 7 号 p. 1352-1359

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抄録

症例は36歳,男性.下部直腸癌に対し術前化学放射線療法を施行した後に,手術(腹腔鏡下括約筋間直腸切除(intersphincteric resection : ISR)・側方リンパ節郭清・回腸双孔式人工肛門造設術)を施行した.肛門側の切離線が括約筋間溝である内肛門括約筋を全切除するtotal ISRとなった.内肛門括約筋切離後,肛門部皮膚や肛門管粘膜は外反し,結腸肛門吻合終了時に粘膜脱様の吻合となった.術後1年経過を観察したが,粘膜脱は改善なく,注腸造影検査では,造影剤注入と同時に失禁となった.ISR術後の粘膜脱に対し,Delorme手術を施行した.経過は良好で注腸検査においても失禁は認めなかったため,人工肛門を二期的に閉鎖した.閉鎖後は,パッドを1日1回着用したが,ガスや便の失禁は認めなかった.Wexner scoreは4点で肛門機能の改善を得た.

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© 2019 日本臨床外科学会
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