2019 年 80 巻 9 号 p. 1687-1692
症例は69歳,男性.心窩部痛を主訴に精査を行い,腹部CTで回腸腫瘤を指摘された.PET-CTで腫瘤およびリンパ節にFDGの異常集積を認め,回腸悪性腫瘍を疑い腹腔鏡補助下に手術を行った.手術所見ではMeckel憩室に母指頭大の腫瘤を認め,Meckel憩室を基部で切除した.術中迅速診断で腺癌と診断され,回腸部分切除術・リンパ節郭清を行った.術後は化学療法(mFOLFOX6)を施行し,術後2年6カ月再発なく経過している.Meckel憩室内に発生する癌は極めて稀で,その解剖学的特性から術前診断は困難なことが多い.今回,腹腔鏡補助下に診断し切除を行ったMeckel憩室癌の1例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.