2020 年 81 巻 2 号 p. 385-389
症例は,63歳,男性.右外鼠径ヘルニア嵌頓に対し,前方到達法による嵌頓解除術およびヘルニア修復術(anterior iliopubic tract repair)を施行した.術翌日から,陰部大腿神経陰部枝領域に疼痛の訴えを認め,鎮痛薬にて経過観察の方針となった.しかし症状の改善なく,歩行にも支障をきたすようになったため,初回手術から1年4カ月後にhybrid手術によるtriple neurectomyを施行した.まず鼠径部切開法にて,腸骨下腹神経および腸骨鼠径神経を同定し,切除術を施行した.続いて腹腔鏡下に陰部大腿神経を確認し,切除術を施行した.併せて,メッシュによる鼠径床の補強を行った.術後,疼痛は改善し,術後2日目に退院となった.再手術後1年11カ月が経過した現在,疼痛の再燃・ヘルニアの再発なく,外来にて経過観察中である.