2020 年 81 巻 3 号 p. 445-448
南スーダン北部地域の25歳,女性.道路にて狙撃され,胸腹部銃創にて病院に搬送となった.開腹手術および胸腔ドレーン挿入,射出創の胸壁閉鎖を行った.第10病日に膿胸を検知し,胸腔ドレーンによるドレナージおよび抗菌薬治療を継続したが改善を認めなかった.第17病日に胸腔開窓術を施行したところ膿胸の改善を認めた.人工呼吸器や高流量酸素の設備はなく,呼吸状態の悪化も考慮して胸腔開窓術を施行するか否かの判断に難渋したが,医療資源の限られた環境下においても膿胸に対する胸腔開窓術は有効な治療の選択肢となり得ると考える.