日本臨床外科学会雑誌
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症例
妊娠中に腹腔鏡下手術を行った急性腹症の3例
渡邉 夕樹雄谷 慎吾河合 徹京兼 隆典久世 真悟宮地 正彦
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2020 年 81 巻 3 号 p. 506-512

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抄録

妊娠中に外科手術が必要となる消化器疾患としては急性虫垂炎,急性胆嚢炎,腸閉塞などが多いとされる.近年の手術手技や周術期管理の向上に伴い,妊娠中の腹腔鏡下手術症例の報告は増加している.今回われわれは妊娠中に腹腔鏡下手術を施行した急性腹症症例を3例経験した.症例1は34歳の女性で,妊娠15週目にCTで絞扼性腸閉塞と診断し腹腔鏡下腸管癒着剥離術を施行した.症例2は38歳の女性で,妊娠21週目に超音波検査とMRIで急性虫垂炎と診断し腹腔鏡下虫垂切除術を施行した.症例3は23歳の女性で,妊娠26週目に超音波検査とMRIで胆石性胆嚢炎と診断し腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.これらの症例につき診断方法やポート挿入方法・位置,カメラ選択などの工夫について報告する.

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