日本臨床外科学会雑誌
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症例
潰瘍性大腸炎とサイトメガロウイルス腸炎を背景に発症した特発性気腹症
木村 直也平木 将紹三好 篤冨永 直之芥川 加代田中 聡也北原 賢二
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2020 年 81 巻 3 号 p. 513-518

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抄録

症例は67歳,男性.潰瘍性大腸炎に対する入院加療中に症状の増悪とともに腹部膨満を認めたため,腹部CTを施行したところ腹腔内遊離ガス像を認め,消化管穿孔の疑いで当科に紹介された.画像検査では著明な腹腔内遊離ガス像を認めたが,腹部所見としては腹部の緊満のみで,腹部所見は認めなかった.十分なインフォームドコンセントのもと経皮的な穿刺による脱気のみを行い,絶食管理下に補液と抗菌薬投与を行った.入院後に行った上・下部消化管内視鏡検査で明らかな穿孔部位を認めず,潰瘍性大腸炎に併発したサイトメガロウイルス腸炎を疑い,抗ウイルス薬の投与を行った.経過中,腹部や炎症所見の増悪は認めず,入院後4日目より食事を開始し,入院後17日に転院となった.腹膜炎の症状を呈さない腹腔内遊離ガス像のうち,画像検査で穿孔部位が明らかでない場合は特発性気腹症の可能性もあるため,念頭に置く必要がある.

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