日本臨床外科学会雑誌
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臨床経験
中心静脈ポート造設時のリアルタイムエコーガイド下内頸静脈穿刺の有用性
大渓 隆弘渡邊 直純井上 真大渓 彩香林 達彦
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2020 年 81 巻 5 号 p. 845-849

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抄録

目的:中心静脈ポート(CVポート)造設時のリアルタイムエコーガイド下(リアルタイム法)内頸静脈穿刺の有用性を検討した.

方法:2010年1月から2019年12月までに当院でCVポート造設を施行した173例を対象とした.リアルタイム法による内頸静脈穿刺92例(内頸群)とランドマーク法による鎖骨下静脈穿刺81例(鎖骨下群)に分け,臨床所見と合併症を比較検討した.

結果:内頸群で右側穿刺が多く(P< 0.01),手術時間が長かった(P < 0.01).鎖骨下群で手術時合併症が6例(7%)に認められたが(気胸/動脈穿刺/穿刺困難:3/1/2例),内頸群では認められず,有意に少なかった(P < 0.01).内頸群の方が観察期間は短いものの(P < 0.01),術後合併症も有意に少なかった(P = 0.024).

結語:CVポート造設時のリアルタイム法による内頸静脈穿刺は手術時合併症を減らし,術後合併症も減らす可能性がある.

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