2021 年 82 巻 1 号 p. 201-205
症例は83歳,男性.発熱と右腰背部膨隆を主訴に内科に入院,CTで腰背部の筋内膿瘍が疑われ外科に紹介された.穿刺排膿と抗菌薬による保存的治療で軽快したが,抗菌薬投与終了3週間後に再燃し,経皮ドレナージを行った.CTを見直すと膿瘍内に魚骨が疑われ,外科に転科し腰椎麻酔下で魚骨摘出術を行った.術後経過は順調であった.下部消化管内視鏡で上行結腸に多数の憩室,肝彎曲部に中央にポリープ様隆起を伴う限局した粘膜浮腫があり,誤飲した魚骨が結腸から後腹膜に穿通,さらに胸腰筋膜下まで迷入し膿瘍を形成したと考えられた.魚骨が消化管外に穿通した報告例は散見されるが,後腹膜から背筋に至った報告はまれと思われたので報告した.