日本臨床外科学会雑誌
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症例
右上葉B2転位気管支を伴う肺癌の1例
佐藤 史朋
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キーワード: 肺癌, 転位気管支
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2021 年 82 巻 1 号 p. 62-65

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抄録

67歳,男性.検診で右上葉に1.5cm大の結節を認めた.胸部CTでは右S1に充実性病変を認め,気管支鏡検査を計画した.気管支鏡では右上葉はB1+3の2分岐であり,右中間気管支幹の中葉気管支外側よりB2が分岐していた.気管支鏡検査では診断がつかず,胸腔鏡下肺部分切除で肺腺癌と診断した.全身検索では他臓器転移を認めずcT1bN0M0 stage IA2と診断し後日,右上葉切除と縦隔リンパ節郭清を行った.分葉不全があったが,肺動脈や肺静脈の分岐異常は認めず,中間気管支幹の末梢からやや太いB2が分岐していることを確認し,staplerでの気管支処理とした.気管支分岐異常を伴う症例では,肺切除の際に注意が必要であり若干の文献的考察を加え報告する.

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