日本臨床外科学会雑誌
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症例
腸重積を契機に診断し腹腔鏡補助下に手術を行った小腸悪性黒色腫の1例
小倉 加奈子林 圭吾卸川 智文間山 泰晃砂川 宏樹
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キーワード: 悪性黒色腫, 腸重積, 腹腔鏡
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2021 年 82 巻 11 号 p. 2013-2017

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抄録

症例は36歳,女性.1カ月前からの水様性下痢と臍周囲の痛みで受診し,腹部造影CTで小腸の複数箇所に壁肥厚と重積所見を認めた.多発小腸腫瘍に伴う腸重積の診断で緊急手術を施行した.腹腔鏡下に観察すると黒色調の腫瘍を先進部とした重積腸管を認め,小腸全体で同部を含む計5つの腫瘍を摘出した.経過は良好で,第8病日に退院となった.病理組織学的検査で悪性黒色腫と診断し,PET-CTで仙骨,腸骨および多発肺転移を認めたため,他院でダカルバジンによる化学療法が導入された.消化管原発の悪性黒色腫の発生頻度は悪性黒色腫全体の1.4~1.8%と低く,小腸原発は極めて稀である.本症例では診断時に既に全身性転移を認めており,原発部位は不明であるが転移と診断するのが妥当と判断した.予後が望めない場合も多いが,腸重積や下血,穿孔の原因となり得る腫瘍を腹腔鏡補助下に全切除でき,術後速やかに化学療法を開始することができた点は非常に有用であったと考える.

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