日本臨床外科学会雑誌
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症例
捻転した胆嚢が嵌頓したMorgagni孔ヘルニアの1例
岩瀬 友哉神藤 修深澤 貴子松本 圭五坂口 孝宣鈴木 昌八
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2021 年 82 巻 3 号 p. 642-645

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抄録

症例は91歳,女性.体動不良を認めて救急搬送された.自発的な腹部症状の訴えはなく,血液検査で炎症反応と乳酸値の上昇を認めた.腹部造影CTでは,腫大した胆嚢がMorgagni孔に嵌入しており,胆嚢壁の造影効果は低下していた.Morgagni孔ヘルニア嵌頓に伴った壊疽性胆嚢炎の術前診断で緊急開腹胆嚢摘出術を施行した.

上腹部正中切開で開腹すると,Morgagni孔に嵌頓した胆嚢を認めた.胆嚢は頸部で捻転し,漿膜面は黒色調に変化していた.嵌頓を解除して胆嚢を摘出し,Morgagni孔の開口部を縫縮してヘルニア門を閉鎖した.術後経過は良好で第21病日に転院となった.

Morgagni孔ヘルニアは横隔膜ヘルニアの内の3%と比較的稀な疾患であり,Morgagni孔に胆嚢が嵌頓した症例の報告は稀である.高齢女性に発症リスクの高いMorgagni孔ヘルニアと胆嚢捻転が合併した症例を経験したため報告する.

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