日本臨床外科学会雑誌
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症例
鼠径ヘルニア修復術後の解剖学的変化が関与した男性大腿ヘルニアの2例
小林 冬美瑞木 亨大木 準
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2021 年 82 巻 5 号 p. 1000-1004

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抄録

鼠径ヘルニア術後に大腿ヘルニアとして再発した2例を腹腔鏡下(transabdominal preperitoneal approach: TAPP)に修復した.再発鼠径部ヘルニアでは初発症例よりも大腿ヘルニアの割合が多く,鼠径靱帯が牽引されて大腿輪が開大することが一因とされる.

症例1は73歳,男性.Mesh plug法術後3カ月で右鼠径部の膨隆を自覚した.術中所見ではmesh plugが留置されたHesselbach三角の瘢痕収縮により,iliopubic tractが頭側に偏位し,大腿輪が開大していた.症例2は62歳,男性.12歳で左鼠径ヘルニア修復術の既往があり,術中所見から,前回手術の影響で大腿輪が開大したものと考えられた.いずれの症例も,術後の鼠径部構造の変化が大腿ヘルニアの発生に関与したと考えられた.文献的考察を加えて報告する.

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