日本臨床外科学会雑誌
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症例
術前CTにて重複下大静脈と診断し腹腔鏡下に切除した直腸癌の1例
平原 慧小林 弘典白川 賢司久原 佑太久保田 晴菜宮本 勝也
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2021 年 82 巻 5 号 p. 932-937

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抄録

症例は48歳,女性.1年前から血便を自覚し,近医を受診した.下部内視鏡検査を施行し,直腸S状部に2型腫瘍を認め,手術目的に紹介となった.術前造影CTにて,腹部大動脈の両側に下大静脈が走行していた.重複下大静脈を交通する腸骨間静脈は認めず,Type2aの重複下大静脈と診断した.腹腔鏡下に手術を行い,術中に重複下大静脈を視認,温存した.周術期合併症なく術後12日目に退院となった.重複下大静脈を伴う手術では解剖学的位置関係の誤認に注意が必要である.術前CTにて重複下大静脈を診断することに加え,腸骨間静脈の有無,性腺静脈や尿管の走行,解剖学的位置関係やその他の合併する偏位を考慮し,手術計画を立てることが重要である.重複下大静脈を伴う大腸癌に対する手術の報告は少なく,文献的考察を加えて報告する.

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