日本臨床外科学会雑誌
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症例
経直腸的後腹膜生検後Fournier壊疽の1例
平井 基晴亀山 仁史上原 拓明岩谷 昭山崎 俊幸
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2021 年 82 巻 5 号 p. 938-942

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抄録

症例は77歳,女性.子宮頸癌術後の経過観察目的の骨盤造影CTで直腸背側に徐々に増大する軟部影を指摘された.骨盤造影MRIではT2強調像で不均一な信号を示す嚢胞性腫瘤を認めた.経直腸的に超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)にて生検を施行したが,生検10日後に肛門周囲の痛みを主訴に当科を受診した.骨盤単純CTで肛門周囲を中心に広範囲のガス貯留を認め,EUS-FNAによるFournier壊疽の診断で同日緊急で切開ドレナージ術を施行した.術後5日目に施行した下部消化管内視鏡検査では穿刺部に潰瘍や穿孔を示唆する所見は認めなかった.術後10日目に退院したが,術後42日目に膿瘍が再燃し再度ドレナージを要し,その後改善を認めた.EUS-FNAは侵襲性,安全性の面から有用な検査ではあるが,本症例のような嚢胞性腫瘤の穿刺の際は特に慎重に適応症例を選択した上で,感染や播種のリスクについて十分に考慮し,適切な予防を行う必要がある.

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