日本臨床外科学会雑誌
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症例
原発性腹膜癌の関与が疑われた大網脂肪織炎の1例
白川 賢司坂下 吉弘平原 慧久原 佑太久保田 晴菜豊田 和宏
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2021 年 82 巻 6 号 p. 1228-1236

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抄録

症例は49歳,女性.主訴は発熱,下腹部痛であった.来院2日前から症状を認め,症状が改善しないために受診した.下腹部に腹膜刺激症状を伴う圧痛を認め,血液検査では著明な炎症所見を認めた.腹部造影CTでは大網の脂肪織濃度の上昇を認め,大網脂肪織炎と診断した.絶食,抗菌薬治療により軽快退院となった.退院1カ月後に同症状で来院し,大網脂肪織炎の再燃を認めた.原因精査のため,手術を施行した.術中所見では肥厚した大網を認め,下腹部の腹膜全体に結節性病変,骨盤底に血性腹水を認めた.腹腔鏡下大網切除術を施行した.病理組織学的検査では卵巣漿液性腺癌と矛盾しない組織像を認めた.術後のPET-CTでは両側卵巣に集積を認めたが,卵巣腫大は認めなかった.その他にも原発巣となる病変はなく,原発性腹膜癌が疑われた.自験例は原発性腹膜癌による大網脂肪織炎が疑われた.

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