日本臨床外科学会雑誌
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症例
両側乳房全切除術に至った両側異時性肉芽腫性乳腺炎の1例
冨田 香河合 由紀北村 美奈能島 舞森谷 鈴子目片 英治谷 眞至
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2021 年 82 巻 7 号 p. 1286-1290

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抄録

肉芽腫性乳腺炎(granulomatous mastitis:以下,GM)は稀な乳腺の慢性炎症性疾患である.肉芽腫や膿瘍形成を特徴とするが,診断・治療に難渋することが多い.今回われわれは,両側性・異時性にGMを発症し,最終的に両側乳房全切除術に至った症例を経験した.

症例は34歳,女性.右乳房に広範な乳腺炎を発症し前医を受診.GMを疑われたが針生検では診断に至らず.経過中,結節性紅斑が出現しステロイドパルス療法を受け,乳腺炎の症状も改善した.その後ステロイドは漸減,終了した.

その7カ月後,左乳腺炎となり,針生検でGMと診断された.ステロイド治療を開始されたが,減量を試みるたびに増悪した.保存的治療は7カ月間継続したが,両側乳房全切除術を強く希望し,当院へ紹介となった.

両側乳房に対し乳頭温存乳房全切除術を施行したところ,治癒したと考えられた右乳房にも肉芽腫が見られ,両側ともにGMの病理診断に至った.その後,症状の再燃なく経過している.

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