日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡下手術を行った下腸間膜動脈分岐異常を伴うS状結腸癌の1例
田浦 洋平原田 栄二郎竹本 圭宏田中 裕也濱野 公一
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2021 年 82 巻 7 号 p. 1391-1395

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抄録

症例は69歳の男性.下血に対して前医で経過観察中,急性心不全を発症し当院へ入院.入院後の精査にて多発S状結腸癌と診断され,手術目的で当科紹介となった.術前の腹部造影CTにて下腸間膜動脈(inferior mesenteric artery;以下,IMAと略記)が上腸間膜動脈(superior mesenteric artery;以下,SMAと略記)より分岐していることが判明した.術前診断は,多発S状結腸癌(ともにcT2N0M0,cStage I)で,腹腔鏡下S状結腸切除術を行った.術中所見では術前の画像診断通り,腹部大動脈からIMAの分岐は認めず,同部には腰内臓神経の結腸・直腸枝のみを認めた.SMAから分岐するIMAは左結腸動脈までを温存し,その末梢で切離した.術後は特記すべき合併症はなく退院した.IMAがSMAから分岐する形態は非常に稀であり,若干の文献的考察を加え報告する.

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