日本臨床外科学会雑誌
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症例
術中大腸内視鏡検査により先進部を診断した肛門外脱出を伴う腸重積の1例
国安 真里奈吉田 道彦水本 拓也平田 建郎辻村 敏明上野 公彦
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2021 年 82 巻 7 号 p. 1401-1406

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抄録

症例は87歳,女性.腹痛,血便を主訴に当院を受診.腹部単純CTで直腸からS状結腸に同心円状構造を認め,腸重積が疑われた.肛門から腸管の脱出を認めたが,先進部となり得る腫瘍性病変は確認されなかった.内視鏡的整復は困難であり,観血的整復目的で当科へ紹介となった.同日緊急手術を行い,肛門から用手的に重積腸管を腹腔内に移動させ,開腹下に腸重積の整復を行った.術中大腸内視鏡検査を施行したところS状結腸に2型腫瘍を認め,また重積腸管の壊死が疑われたため同部位を切除範囲に含めたS状結腸切除術を施行した.病理組織所見では2型腫瘍はS状結腸癌の診断であり,その肛門側に腸管壊死の所見を認めた.術後は合併症なく経過し,現在無再発生存中である.肛門外に脱出した腸重積の報告は比較的稀である.今回われわれは,S状結腸癌を術中大腸内視鏡検査により診断,治療しえた1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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