日本臨床外科学会雑誌
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症例
腹腔鏡手術にて切除した腸間膜仮性嚢胞の1例
柳橋 進古田 隆一郎小坂 至宅間 邦雄森田 泰弘
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2021 年 82 巻 7 号 p. 1441-1445

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抄録

症例は55歳,女性.3年前に上行結腸癌に対し腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行されている.術前よりCTでTreitz靱帯近傍に25mm大の腫瘤を指摘され,経過観察となっていた.2年6カ月目のCTで僅かに増大傾向を指摘されたため,小腸GISTの疑いとなり腹腔鏡下に腫瘤切除の方針となった.腹腔内を観察すると,Treitz靱帯を越えて直ぐ,上部空腸の腸間膜腹側に白色調の腫瘤が認められた.小腸との連続性はなく,腸間膜由来と考えられた.腫瘤周囲の漿膜を切開,間膜からの栄養血管のみを処理し,腹腔鏡下に腫瘤切除を施行した.病理診断は腸間膜仮性嚢胞であった.医学中央雑誌にて「腸間膜仮性嚢胞」「腹腔鏡」で検索すると,会議録を除く報告症例は27例となっていた.そのうち,腹腔鏡にて手術された症例は6例であり,本邦で腹腔鏡を用いた治療の報告は少なく,今回,腹腔鏡下で治療しえた症例を経験したため,文献的考察を加えて報告する.

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