2025 年 6 巻 3 号 p. 64-76
従来のダム堤体におけるクラックマップは,知識と経験を有する技術者による目視に基づき作成されてきたが,熟練技術者の高齢化や人手不足により,属人性を排除した効率的な劣化検出手法の導入が求められている.本研究では,クラックマップ作成の一次スクリーニングとして異常検知を活用し,目視による劣化抽出の作業精度と速度の向上について検証した.そのために,天候や季節要因により日照条件の統一が困難な大規模構造物に対し,撮影画像の色調補正が三次元復元モデルおよびAI異常検知精度に与える影響を検証し,その有効性も評価した.