日本臨床外科学会雑誌
Online ISSN : 1882-5133
Print ISSN : 1345-2843
ISSN-L : 1345-2843
症例
腹腔鏡下に切除した乳癌術後18年目に発症した大腸転移の1例
齋藤 慶太藤野 紘貴田山 慶子荻野 次郎平田 公一鶴間 哲弘
著者情報
キーワード: 乳癌, 大腸転移, 手術療法
ジャーナル フリー

2021 年 82 巻 8 号 p. 1491-1498

詳細
抄録

症例は73歳,女性.18年前に他院にて左乳房部分切除術を施行.その6年後に乳房内再発を認め,残存乳房切除を施行され,その後は再発なくフォローされていた.血便を主訴に近医を受診し,上行結腸癌の診断にて手術目的に当院へ紹介となった.原発性大腸癌として腹腔鏡下結腸部分切除術(上行結腸)を施行した.切除標本の病理組織学的検査所見より乳癌の大腸転移と判明し, ER陽性,PgR陽性であった.現在,乳房切除を施行した病院にて内分泌療法を施行中である.乳癌既往患者において消化器症状の訴えの際には,消化管転移の可能性も考慮する必要がある.乳癌の他臓器転移を外科的切除する機会は少ないが,大腸転移に対して外科的治療によってQOLが改善され,さらに薬物療法の進歩に伴って予後の改善を期待できるかもしれない.

著者関連情報
© 2021 日本臨床外科学会
前の記事 次の記事
feedback
Top