2021 年 82 巻 8 号 p. 1537-1542
症例は48歳,女性.発熱・腹痛を主訴に前医を受診し,急性虫垂炎の診断にて当院へ紹介となる.保存的加療にて症状改善したが,食事開始後に再増悪したため緊急手術を施行した.虫垂は根部付近にて壊死・融解し膿瘍形成を認め,回腸が膿瘍腔へ穿破していた.盲腸部分切除・小腸部分切除・膿瘍ドレナージ術を施行した.術後の感染コントロールは極めて不良であり,腹壁壊死・盲腸穿孔・感染性心筋炎による急性心不全を合併しCCU管理となった.術後20病日にドレーン排液よりアメーバ虫体が確認されメトロニダゾール投与を開始したが,その後は炎症反応も速やかに改善し感染コントロールは良好となり,術後99病日目に退院となった.今回われわれは,急性虫垂炎の術後管理に難渋するも,赤痢アメーバ感染と判明後は抗アメーバ療法が著効し救命しえた症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.