日本臨床外科学会雑誌
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症例
整復後に待機手術を行った門脈ガス血症を呈した閉鎖孔ヘルニアの1例
鈴木 洋齋藤 達小澤 洋平横沢 友樹星田 徹
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2021 年 82 巻 8 号 p. 1606-1611

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抄録

症例は90歳,女性.嘔吐を主訴に当院に救急搬送された.腹部単純CTで左閉鎖孔ヘルニア嵌頓と門脈ガス血症を認めた.超音波ガイド下に嵌頓を整復した後に,入院管理とした.翌日のCTで門脈ガスは消失しており,待機手術の方針とした.手術は鎮静下に局所麻酔を行い,ダイレクトクーゲル法に準じた鼠径法で施行した.術後経過は良好で,術後第4病日に退院した.本症例では,閉鎖孔ヘルニア嵌頓による腸閉塞に伴い悪化した全身状態の改善後に,より安全に待機手術を施行しえた.門脈にガス像が認められても,嵌頓した腸管の虚血や壊死を伴わずに閉鎖孔ヘルニアの整復が可能である場合には,局所麻酔下での待機手術も選択することが可能な治療方法と考えられた.

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