2022 年 83 巻 1 号 p. 136-141
症例は77歳の男性.近医で肝エコー検査にて肝腫瘍病変を指摘され紹介受診.腹部超音波検査で肝S7に46×41mm大のモザイクパターンを有する腫瘍,造影CTでは動脈相では軽度の造影効果,門脈相および平衡相では境界明瞭な低吸収域を示す被膜形成のない充実性腫瘍を認め,MRIではT1強調画像で軽度高信号,T2強調画像で低信号の境界明瞭な腫瘍を認め,肝細胞癌を最も強く疑い,肝後区域切除を施行した.病理組織学的検査では線維性の被膜で覆われ内部は凝固壊死に陥った結節病変を認め,肝孤立性壊死性結節と診断した.肝孤立性壊死性結節の術前診断は困難であり,非定型的な肝内占拠性病変の場合には念頭に置くべき疾患である.