2022 年 83 巻 1 号 p. 142-146
症例は61歳,男性.HBVキャリア,HCV感染既往のある症例で,9年前に肝細胞癌(HCC)に対して肝部分切除術が施行された.定期的に腫瘍マーカーを含めた血液検査,腹部CTにてフォローされていたがPIVKA-IIの上昇を認め,肝腫瘍とともに骨盤内に充実性腫瘍が指摘された.肝腫瘍は肝内再発と考えられRFA治療が施行されたが1カ月後のPIVKA-IIに低下は見られず,一方で骨盤内腫瘤の増大を認めたことからHCCの肝外転移が疑われた.腹腔鏡下に同腫瘤を切除したが,腫瘤は後腹膜下に存在しており,病理組織検査にてHCC由来の後腹膜転移と診断された.われわれは,HCCの骨盤内後腹膜下転移をきたした,まれな症例を経験した.