2022 年 83 巻 10 号 p. 1771-1777
症例1:40歳,男性.膿瘍形成性虫垂炎に対し保存的治療後,待機的虫垂切除術前CTで虫垂腫大の残存を認め,下部消化管内視鏡検査を施行.盲腸癌の診断で,腹腔鏡補助下回盲部切除術を施行した.症例2:42歳,男性.膿瘍形成性虫垂炎に対し保存的治療後,3カ月目のCTで虫垂腫大の残存と回結腸動脈領域のリンパ節腫大を認め,下部消化管内視鏡検査を施行.虫垂癌の診断で,回盲部切除術・小腸合併切除術を施行した.
いずれも待機的虫垂切除術前に悪性所見が判明し,一期的に根治切除可能であり,現在無再発生存中である.
結腸癌罹患率の観点から50歳以上の膿瘍形成性虫垂炎保存的治療後には,下部消化管内視鏡検査により盲腸癌,一部虫垂癌を否定することが必要である.特に,待機的虫垂切除術前の画像診断で虫垂腫大が残存している場合には,年齢にかかわらず下部消化管内視鏡検査を強く勧めることが重要である.