日本臨床外科学会雑誌
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症例
電解質喪失症候群による急性腎不全を呈した直腸絨毛腫瘍の1例
額田 卓片山 雄介澤崎 翔大佛 智彦利野 靖
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キーワード: 直腸, 絨毛腫瘍, 電解質異常
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2022 年 83 巻 10 号 p. 1782-1786

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抄録

今回われわれは,直腸絨毛腫瘍に伴う重度の電解質異常と腎機能不全のため透析導入となった症例を経験したので報告する.

症例は70歳,女性.2年前より血便と下痢を自覚するが,放置していた.今回,下痢症状が増悪したため前医を受診し,直腸診で腫瘤を触知したため,直腸癌の疑いにて当院を紹介受診した.食思不振もあるため同日緊急入院し,1週間後の血液検査で急性腎不全の診断で透析導入となった.下部消化管内視鏡検査では直腸に全周性の絨毛状腫瘍を認め,生検結果でadenocarcinoma in adenomaと診断した.造影CTでは,直腸内に多量の液体貯留と直腸内腔に突出した最大径約10cm大の隆起性病変を認めた.直腸絨毛状腫瘍からの粘液分泌による電解質喪失症候群(electrolyte depletion syndrome : EDS)を生じ,それがトリガーとなって急性腎不全を併発したと考えられた.治療は血液透析治療により全身状態を改善させた後,Hartmann術を施行した.術直後より急性腎不全は改善し,透析から離脱し良好な経過であった.

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