日本臨床外科学会雑誌
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症例
盲腸MiNEN(mixed adenocarcinoma-NEC)の1例
池田 幸陽三宅 秀夫永井 英雅吉岡 裕一郎湯浅 典博藤野 雅彦
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2022 年 83 巻 2 号 p. 351-357

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抄録

症例は77歳の女性で,2019年5月,心窩部痛を主訴に当院を受診した.CTで盲腸に不整腫瘤,回盲部のリンパ節腫脹,小腸の拡張を認めた.下部消化管内視鏡検査では盲腸から上行結腸に周堤を伴う不整な潰瘍を認め,生検で中分化管状腺癌と診断された.以上より盲腸癌(cT3N2M0,cStage III)による腸閉塞と診断し,結腸右半切除術を施行した.切除標本では盲腸-上行結腸に11×10cmの不整な潰瘍性病変を認めた.病理組織学的に病巣の辺縁の粘膜,粘膜下層は高分化管状腺癌(tub1)と診断され,病巣の中央,固有筋層,漿膜下層はneuroendocrine carcinoma (NEC)と診断された.tub1,NEC成分はそれぞれ腫瘍全体の30%以上を占めたことから,盲腸MiNEN,mixed adenocarcinoma-NECと診断された(pT3,INFc,ly1b,v1b,N2a [NEC成分の転移],Stage IIIb).術後CBDCA/CPT-11療法を行ったが,術後8カ月のCTで多発肝転移と肝門部リンパ節腫大を認め,術後11カ月に死亡した.大腸MiNENは稀な疾患であるが予後不良で,治療成績向上のために症例の集積,効果的な補助化学療法の確立が望まれる.

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© 2022 日本臨床外科学会
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