日本臨床外科学会雑誌
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症例
抗凝固薬内服開始後に胆嚢出血をきたした胆嚢癌の1例
船越 薫子高橋 誠周 達仁東原 琢林 達也下地 耕平岡田 晴香森田 泰弘
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キーワード: 胆嚢出血, 胆嚢癌, 抗凝固薬
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2022 年 83 巻 2 号 p. 402-408

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抄録

症例は84歳,男性.呂律不良,右片麻痺を主訴に当院へ救急搬送された.未治療の心房細動に伴う心原性脳梗塞の診断で,脳外科入院の上,抗凝固薬の内服が開始された.第3病日,腹痛を自覚し当科紹介となった.造影CTで胆嚢の緊満を認め,内部は不均一に高濃度を呈しており,胆嚢出血と診断した.腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行したが,出血を制御できず,開腹術へ移行した.術後の病理組織診断で胆嚢癌(T1b)の診断となり,胆嚢管断端が癌陽性であったことから,第43病日に肝外胆管切除,肝管空腸吻合,リンパ節郭清術を施行した.術後の経過は良好で,第58病日に退院となった.

抗凝固薬に関連する胆嚢出血の報告は散見されるが,胆嚢癌の併発の報告は少ない.抗凝固薬内服開始後に胆嚢出血をきたした胆嚢癌の1切除例を,若干の文献的考察を加え報告する.

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