抄録
これまで、我々は2,2-ジメチル-1,1-ジフェニルプロピル系の加溶媒分解における二つのフェニル基上の置換基効果の解析を湯川-都野式を用いておこなってきた。その結果、対称ジ置換体では二つのフェニル基が同時にねじれたE-コンフォメーションをとるということがわかった。しかし、置換基が異なる非対称体の場合は電子供与性能力のより大きい置換基をもつフェニル基が反応中心と共平面に近づき、もう一方がよりねじれたPT-コンフォメーション をとることがわかった。今回は、更に広範囲の置換基効果解析の結果とab initio計算によるカチオン構造の結果とを合わせて、この系の置換基効果における立体依存性について報告する。