日本臨床外科学会雑誌
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症例
カプセル内視鏡の滞留を契機に発見された原発性小腸癌の1例
大谷 裕佐倉 悠介樽本 浩司山根 佳金澤 旭宣
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2022 年 83 巻 4 号 p. 704-710

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抄録

症例は48歳の男性.心窩部痛を主訴に近医を受診した際貧血を指摘され,原因精査目的で当院へ紹介された.腹部造影CT,上部・下部内視鏡検査で明らかな異常を指摘されず,小腸病変の関与を疑い,パテンシーカプセル(PC)の内服なしにカプセル内視鏡(CE)検査を施行した.内服後24時間経過してもCEが排泄されず,その後施行した腹部CTで小腸の病変部でCEが滞留している可能性が高いと判断し,バルーン内視鏡(BAE)検査を施行した.CEは内視鏡的に体外へ回収し,病変からの生検で原発性小腸癌と確定診断し,後日外科手術を施行した.病変はTreitz靱帯から約40cm肛門側にあり,小腸部分切除術ならびに中枢側リンパ節郭清を施行した.病理組織診断はstage IIIAの小腸癌であり,術後補助療法としてCapeOX療法を半年間施行した.BAEを使って滞留したCEを早期に回収して腸閉塞を回避し術前診断できたことで,原発性小腸癌に対して十分な外科的治療が可能になったと考える.また,滞留を回避するために,ガイドラインを遵守したPCの使用を考慮すべきである.

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