日本臨床外科学会雑誌
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症例
直腸間膜リンパ節転移が後の直腸癌手術時に発見された前立腺癌の1例
宇田川 輝久鈴木 雄伊藤 靖玉手 義久栁川 直樹亀井 尚
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2022 年 83 巻 4 号 p. 775-779

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抄録

前立腺癌術後に直腸間膜から前立腺癌のリンパ節転移を病理学的に確認できた直腸癌症例を経験した.症例は67歳,男性.前立腺癌に対し,ロボット支援内視鏡下前立腺切除術を施行した.術後に生化学的再発を認め,gonadotropin releasing hormone(GnRH)アンタゴニストで治療中であった.便潜血陽性をきっかけに直腸RSに全周性の2型腫瘍を認め,生検でadenocarcinomaの診断となった.腹腔鏡下高位前方切除術を施行したところ,直腸間膜内より前立腺癌のリンパ節転移を認めた.前立腺はリンパ管の流入が多く,一般的には閉鎖リンパ節や内腸骨リンパ節,外腸骨リンパ節に流入する.過去の報告で前立腺癌が直腸間膜に転移した症例は17例のみであり,極めて珍しい症例と考えられた.前立腺癌の高リスク症例では生化学的再発を高率に認めることが知られており,本症例のようなリンパ節郭清領域外への微小転移がprostate-specific antigen(PSA)が上昇する前から存在している可能性が考えられた.

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