2022 年 83 巻 5 号 p. 821-826
IgG4関連疾患による乳腺腫瘍性病変を経験した.症例は71歳,女性.左眼瞼腫脹を主訴に当院眼科を受診し,MRIで左眼窩腫瘍を指摘され,腫瘍からの生検でIgG4関連疾患と診断された.全身検索のための造影CTで左乳腺内上区域に造影効果を伴う高吸収域を指摘され,当科を紹介初診した.乳房超音波検査(US)では同部位に局所性の斑状低エコー域を認めた.針生検にて高度な形質細胞やリンパ球の浸潤を認め,免疫染色で多数のIgG4陽性細胞を認めたことより,IgG4関連乳腺腫瘍性病変と診断された.ステロイド治療開始後,眼症状の改善と血中IgG値の低下を認めた.乳腺の病変は継時的に縮小を認め,治療開始後4年現在,再燃なく経過している.