日本臨床外科学会雑誌
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症例
下部消化管内視鏡検査時に発症した左横隔膜ヘルニア嵌頓の1例
岡 凌也大谷 剛坂本 美咲竹原 裕子奥谷 大介片岡 正文
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2022 年 83 巻 5 号 p. 854-859

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抄録

症例は74歳,男性.5年前に交通外傷による右肋骨骨折,右血気胸の既往があった.今回,貧血と腫瘍マーカー上昇の精査のため下部消化管内視鏡検査を施行したところ,左胸腹部痛が出現した.CTにて左横隔膜ヘルニアと脱出した結腸の嵌頓を認めたため,緊急手術を行った.開腹で手術を開始し腸管を還納したが,術野展開の困難さから胸腔鏡補助下に横隔膜縫縮によるヘルニア修復を行った.横隔膜ヘルニアは外傷による横隔膜損傷などを原因として発症するが,高エネルギー外傷で多臓器損傷を合併している場合には見落とされることも多い.遅発性に脱出臓器が閉塞することや,本症例のように下部消化管内視鏡検査によって嵌頓する可能性があり,基本的な治療は手術である.今回,下部消化管内視鏡検査を起因として左横隔膜ヘルニア嵌頓をきたした症例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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